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女たちの館


書誌

シリーズ
黄いろい場所からの挿話 II
所収
『霧の聖マリ』中央公論社, 1975
『霧の聖マリ』中央公論社(中公文庫), 1992
初出
『海』6巻3号(1974年3月号)

設定

舞台
スペイン・カタルーニャ地方の
アイテム
ビセンタの黄色いエプロン
時代
1958年4月

人物

私(私3)
日本人。ロケ隊のプロデューサーの友人。荷物運びとしてロケに参加。
ビセンタ
ロケ隊の宿舎の娘。
ビセンタの父(ロドリゲス)
ビセンタの父親。内戦時に亡くなる。
ビセンタの母(ロドリゲスの妻)
ビセンタの母親。内戦時に亡くなる。
マリア
ビセンタの母の一番下の妹。
イサベラ
ロドリゲスの妹。精神を病んでいる。
イサベラの許婚者(アロンソ)
イサベラの恋人。
ミゲル
村の男。ロドリゲスの友人。ロケ隊に馬を貸す。
プロデューサー
ロケ隊のメンバー。私3の友人。イタリア出身。
ミス・キャンベル
ロケ隊のメイキャップ係兼衣装係兼効果担当。
監督・カメラマン・進行係・俳優たち
ロケ隊のメンバー。

考察

執筆時の本挿話の年代

本文中、だが、あれから二十年たっている。より、スペイン内戦から20年ほど後のことである。また、復活祭をすぎて間もないとある。スペイン内戦終結の19年後の1958年の復活祭は4月6日、20年後の1959年は3月29日であるから、いずれにせよ本挿話は4月のことであると考えられる。

さらに、ビセンタの台詞の「もう二十年も前のことです。私、まだ生れたばかりでしたから、父のことは、よく知らないんです」から、ロドリゲスが銃殺されてから20年後である。ロドリゲスの事件は藍IIで再び語られ、その記述から1938年12月~1939年2月ころの出来事と考えられる。そのため、本挿話はその約19年2~5か月後の1958年4月か、20年2~5か月後の1959年4月ころと思われる。一方で、本文中ではビセンタを「少女」と表現しているので、本挿話は出来るだけ早い年代の方が自然であろう。そのため、ここでは1958年4月、ビセンタは19歳と考えておく。


更新:2013.03