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海のむこうからの手紙


書誌

シリーズ
赤い場所からの挿話 VI
所収
『霧の聖マリ』中央公論社, 1975
『霧の聖マリ』中央公論社(中公文庫), 1992
初出
『海』6巻12号(1974年12月号)

設定

舞台
東京・湘南
アイテム
タイムズ・スクエアの赤いネオン・不忍池の赤い燈り
時代
私2が旧制中学2年生の11~12月

人物

私2
本文中では「私」。
私1
本文中では「父」。2年前に農業視察に派遣されたままアメリカ滞在中。
湘南の療養所に入院中。
板倉順吉
本文中では「叔父」。母の弟。東京で公立の病院に就職。
江田篠
居酒屋で働いていた娘。この挿話では篠と書かれ、姓は出ない。
江田清一
この挿話では篠の兄と書かれ、名前は出ない。アメリカで働いている。
東野
明治時代に渡米して、商売をしている。

考察

年代

赤III の挿話での出来事が 二年前の夏 と書かれているので、私2は旧制中学2年生であることが分かる。その後、赤III は小学5年生の出来事に変更されが、本挿話を連動して一年繰り上げ、中学1年生のときにのエピソードであると解釈すると、赤Vの半年ちょっと後の出来事ということになる。赤Vで描かれる私2の子供っぽさと、本挿話の大人びた部分を考えると、この設定には無理があるように思う。赤IIIの年代変更にかかわらず、やはり本挿話は旧制中学2年の出来事とし、上で引用した部分を「三年前の夏」と読み替えるべきだろう。

篠の兄

本挿話中に出てくる篠の兄の手紙の内容と、青IVに登場する江田清一の話がほぼ一致するので、ここでは若干の違和感を覚えつつも 篠の兄=江田清一 と考えておく(詳細は 人物→江田清一の考察 参照)。


更新:2012.10