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帰ってきた人


書誌

シリーズ
赤い場所からの挿話 V
所収
『霧の聖マリ』中央公論社, 1975
『霧の聖マリ』中央公論社(中公文庫), 1992
初出
『海』6巻10号(1974年10月号)

設定

舞台
東京(本郷付近?)
アイテム
高村の大学の制服の赤
時代
私2が旧制中学1年生の春~初夏

人物

私2
本文中では「私」。
父の海外出張中に母が入院し、従兄の英二宅(母方の叔母のもと)に預けられている。
私1
本文中では「父」。アメリカ滞在中。
入院中。
英二の父
本文中では「叔父」。
英二の母
本文中では「叔母」。母の妹。
良子
本文中では「年上の従姉」。高村の許嫁。
英二の兄
本文中では「長兄」。大学生。
英二
私2の母方の従兄。私2より2つ年上。
高村
アメリカで大学を卒業し、帰国。

考察

年代

私は叔母の家に引きとられてから半年ほどたっていたがより、赤IV の半年後であるから、私2が小学校を卒業して旧制中学に入学する前後のことである。さらに窓の向うに椎の木が見え、生えかわって金緑色に光る葉群の上により、春~初夏であること、私はリーダーの復習をやっていたおよびその内容から、旧制中学に入っていること、英語を習い始めて間もないことが分かる。以上より、この挿話は私2が旧制中学1年の春~初夏を想定して書かれたことが分かる。

青XIIIに、私は中学に入りたてだったので、(中略)私は初めて Henry is a boy. と書かれた英語を読んだのだ。という記述がある。赤い場所からの挿話シリーズの前半の挿話のほとんどは、後に1~2学年くりあげられる(詳細は考察→私2の学年の問題 参照)が、この記述から、本挿話の学年は変更されなかったことが分かる。


更新:2012.12