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雪の前 雪のあと


書誌

シリーズ
赤い場所からの挿話 I
所収
『霧の聖マリ』中央公論社, 1975
『霧の聖マリ』中央公論社(中公文庫), 1992
初出
『海』6巻2号(1974年2月号)

設定

舞台
東京
アイテム
駒子の赤いドロップス
時代
執筆時:1928年±1年(私2が小学1年生の1月)
→橙Iで、私2が小学校に入る前年の3月に変更
→青XIIで、1916年に変更

人物

私2
本文中では「私」。小学1年生。
私1
本文中では「父」。私2や母と一緒に住んでいる。
着物の仕立てを駒子に頼む。
駒子
兵隊屋敷裏にひとりで住んでいる娘。
宮辺精次
若い大工。この挿話では**さんと書かれ、名前は出ない。
棟梁
宮辺精次の棟梁。駒子の店の並びに住む。

考察

私2の学年

主人公である私2の学年について考える。

節分の日にでもの台詞から、節分前であること、この寒さのなかで水に飛びこめばから、季節は真冬であることが読み取れる。またまだ小学校に入って間もない子供がとあり、私2が小学校低学年であることが分かるが、小学2年生の冬であれば小学校に入って間もないという表現にはならないであろう。

以上より、私2が小学1年生の冬の話として執筆されたと考えられる。

その後、橙Iで小学校入学以前、旧制高校入学の春から12年前の3月、つまり、小学校入学の前年の3月の出来事に変更される(詳細は 橙Iの考察 および 考察→私2の学年の問題 参照)。

暦年代

執筆時には、1927~1929年を想定して書かれたと考えられる(詳細は考察→赤I・IIでの年代設定参照)。

さらに、ちょうど相撲の取組表を見ようとしてより、大相撲の開催中またはその直前であることがうかがえるが、1927年から1932年の大相撲は1・3・5・10月の4場所制をとっていた。このうち、上記の節分前の真冬であるという条件に合うのは1月場所のみである。

以上より、執筆時には、この挿話は 私2が小学1年生の1月、1927~1929年を想定して書かれたと考えられる。

後に、青XII などで私2の学年と暦年代との対応が与えられ(詳細は考察→青XIIでの年代設定参照)る。その結果、最終的にはこの挿話は 私2が小学校に入る前年、1915年3月の出来事に変更されている。


更新:2012.12