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薄明の時


書誌

シリーズ
橙いろの場所からの挿話 XII
所収
『雨期の終り』中央公論社, 1982
『人形クリニック』中央公論社(中公文庫), 1992
初出
『海』11巻11号(1979年11月号):初出時のタイトルは「薄明」

設定

舞台
山に囲まれた盆地の一隅の村・東京・逗子
アイテム
沖に浮いていた橙いろのブイ
時代
私2が帝国大学3年の1月~同じ年の7月

人物

私2
本文中では「私」。
私2と一緒に住んでいる。
金屋
私2よりも1年年少で、同じ路地に住んでいた。6人兄弟の長男。
鬼塚冴
私2が中学時代に好きだった女の子。
真岡貞三
共産主義者。アメリカに永住。
真岡
真岡貞三の息子。私2の旧制中学の後輩。
真岡の妹
真岡貞三の娘。
沢次郎
本文中では「経師屋」。町内会役員だった。
早坂
帝国大学の研究室助手。
大沼直衛
名前のみ登場。私2の友人。男爵家の若当主。

考察

私2の学年

列車のなかには、山岳地方で正月を送ったらしい学生や帰省客が多かった。「まだ学生なんだ。この三月に卒業だけれど」一月の終りにより、本挿話の始まりは、私2が帝国大学3年の1月であることが分かる。挿話の終わりは、母と二人で逗子のホテルに出かけたのは、梅雨が明けて、急に日ざしの強くなった七月初旬のことだった。より、同じ年の7月になるが、大学のほうはとりあえず一年休学することにしたので、まだ大学は卒業していない。

暦年代との対応

執筆時には、本挿話は1938年~1941年の4年間のいずれかの年を想定して書かれたと考えられる(詳細は考察→橙XIIでの年代設定参照)。

後に青XIIで、1934年ごろの出来事に変更される(詳細は考察→青XIIでの年代設定参照)。


更新:2012.12