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聖路加病院まで


書誌

シリーズ
橙いろの場所からの挿話 VIII
所収
『雪崩のくる日』中央公論社, 1979
『人形クリニック』中央公論社(中公文庫), 1992
初出
『海』11巻3号(1979年3月号)

設定

舞台
東京
アイテム
照子の橙いろのリボン
時代
私2が帝国大学1年の年末~翌年の4月

人物

私2
帝国大学文科大学1年生。
私1
本文中では「父」。アメリカで大学の講師をしている。
郊外で私立大学の学生相手の下宿屋をしている。
板倉順吉
母の弟。医師。この挿話では叔父と書かれ、名前は出ない。
伯父
母の異母兄。
伯母
加奈を連れて叔父と再婚した。クリスチャン。
加奈
私2より2つ年上。西永と結婚している。
西永
加奈の夫。
西永照子
西永と加奈の間の娘。
高野由紀夫
加奈の愛人。
伯母の妹

考察

私2の学年

本文中の「大学にこの春入りました」より、私2が旧制大学1年のときのエピソードであることが分かる。さらに、冒頭の暮れも押しせまったある夕方のことであったと、最後の場面の四月になってまだ間もない頃であったから、年末~翌年の4月のことであるのが分かる。

また、本文中に、前回 西永に会ったのが「ええ、小学六年でした」とあるが、そのエピソードを描いた赤VIII では、旧制中学1年のときの出来事になっている(詳細は赤VIIIの考察参照)。私2が小学生の時の挿話と同じく、構想の変更によって、本挿話で赤VIII の年も一年繰り上げられることになった。これについての詳細は考察→私2の学年の問題 参照。

私1の渡米時期

主人公である私2の父(私1)の渡米時期について、「ええ、十四、五年になりますね」と書かれている。旧制大学1年から14~15年前ということで、私2が小学校入学の前年~小学校1年ころに渡米したことになる。一方、初めて私1の渡米が描かれる赤III の記述からは、私2が小学校6年ころに渡米したと考えられる。これについては、考察→私1の渡米時期 参照。


更新:2012.11