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鳥たちの横切る空


書誌

シリーズ
藍いろの場所からの挿話 VII
所収
『国境の白い山』中央公論社, 1984
『国境の白い山』中央公論社(中公文庫), 1992
初出
『海』15巻1号(1983年1月号)

設定

舞台
スペイン・カタルーニャ地方のフランス国境近くの山村
アイテム
シュルツの藍色のジャンパー
時代
1937年5月

人物

ペーター・シュルツ
本挿話の主人公。国際旅団兵士。ドイツ人。もと大学歴史学教授・ジャーナリスト。
老人
山村に娘・孫娘とともに住んでいる。
老人の娘
内戦により都会で焼け出され、故郷で老人とともに住む。
テレサ
老人の孫娘。都会で花屋に勤めていたが、内戦で母とともに老人と住むようになる。17歳。
ゲオルグ
国際旅団でのペーター・シュルツの上官。
ジュリアン・ファーゲ
シュルツの仲間の飛行士。首都攻防戦の頃、撃墜される。
ミッシェル(ミッシェル・ペリエ)
ペーター・シュルツの同志。フランス人。
リーザ・アンデルソン
ペーター・シュルツがかつて愛した歌姫。

考察

他の挿話とのつながり

主人公のペーター・シュルツについて、緑VIIの後、藍Xの前の時期を扱っている。本挿話では、ペーター・シュルツはミシェルと会うことが出来ず、テレサとともにフランスを目指す。一方、藍Xにはシュルツと一緒に国境を越えたミッシェルとある。フランスへの途中でミッシェルと会ったという設定なのだろうか。これに関しては何も語られていない。

本挿話の年代

それよりも黙って柔かい五月の草を踏みながら今は山を越えるほかないと思った。より、季節は5月である。スペイン内戦中の5月は、1937年と1938年の2回しかない。

本挿話の後日譚である藍X中に、シュルツがフランス滞在している間の出来事としてたまたまショータン内閣がつぶれて、レオン・ブルムがそのあと再度人民戦線内閣を組織したからとある。ショータン内閣の崩壊・第二次ブルム内閣の成立は1938年3月なので、本挿話はそれ以前の時期になる。

そのため、本挿話の時期は1937年5月と特定できる。

本挿話の場所

シュルツの行動をカタロニア地方の山岳地帯に入りこんでいたと説明してある点と、テレサは何度かペルビニャンに出たことがあります。の台詞から、本挿話の舞台はカタルーニャ地方で、フランスのペルビニャンへの道が通じている地域でなければならない。候補としてはガロッチャ(Garrotxa)地方が考えられるが、本文中に詳しい記述がなく、よく分からない。


更新:2013.02