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旅人たちの夜の歌


書誌

シリーズ
藍いろの場所からの挿話 V
所収
『国境の白い山』中央公論社, 1984
『国境の白い山』中央公論社(中公文庫), 1992
初出
『海』14巻7号(1982年7月号)

設定

舞台
スペイン・ハカ(Jaca)近く?の谷間の村
アイテム
ダイナマイトの入った藍色の箱
時代
1938年9月

人物

アルトゥロ
本挿話の主人公。爆破隊の最年少。18歳。
エスタニスラオ
爆破隊の隊長格。
バジル
爆破隊のメンバー。フランス人。
ミゲル
爆破隊のメンバー。
グアルテリョ
爆破隊のメンバー。地元出身。
ビトリャ
村の旅籠の娘。
ビトリャの父・母・祖母
家族で旅籠をしている。

考察

挿話の年代と場所

本文中の「つまり国際義勇軍は五日前に解散したんだ」から、時代ははっきりしている。国際旅団の解散命令が1938年9月21日であるので、本挿話は1938年9月を想定して書かれている。

次に場所であるが、1938年9月の時点で、政府軍の勢力範囲から5日以内で行ける場所である。途中まで車で行けたがとあるが、反乱軍の勢力圏を車で移動できるわけもないので、最大でも徒歩5日以内、しかも間道である山道の移動と考えると、さほど遠くまで行けるとは思えない。

また、この村は、昔からの巡礼路に当っていましてね、フランスのほうから国境の山を越えてから、あるいはサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路かとも思われる。しかし、そのルートは1938年9月時点では政府軍の勢力範囲からは遠く、徒歩5日で移動できるとは思えない。結局、舞台となる村の場所はよく分からない。とりあえず、サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路上で、当時の政府軍の勢力範囲に最も近いハカ(Jaca)付近を候補としておく。


更新:2013.02