本棚>ある生涯の七つの場所ノート>挿話

青葉の時間


書誌

シリーズ
青い場所からの挿話 XII
所収
『椎の木のほとり』中央公論社, 1988
『椎の木のほとり』中央公論社(中公文庫), 1993
初出
『海』15巻11号(1983年11月号)

設定

舞台
東京・軽井沢
アイテム
青葉・大沼直衛の別荘の青い木のベンチ
時代
1937年:私2が大学を卒業した翌年ごろの初夏

人物

私2
本文中では「私」。
私1
本文中では「父」。一年ほど前にパリに移る。
私2と一緒に住んでいる。
大沼直衛
男爵家の若当主。東亜経済研究所勤務。
楠木伊根子
南部修治のもと婚約者。
石岡達郎
大沼の友人。仏文科の学生。
中村
郵便配達人。
仁木
名前のみ登場。本文中では「叔父」。母の弟。
南部修治
名前のみ登場。
西條弓子
名前のみ登場。

考察

私2の学年

本挿話の時点では私2はすでに大学を卒業し、大学で非常勤講師をしている(青XIII)。「学年」はおかしいが、他に適当な言葉もないので、こう呼んでおく。

文中のあれからほぼ十年はたっているのにより、赤XIVのほぼ10年後であることが分かる。この「ほぼ」がどのくらいの時間幅を意味するのか分からないが、10年を越えていれば「10年以上」の表現が自然であろう。そのため、ここでは、9~10年後と考えておく。

赤XIVは私2が旧制中学5年の初夏~夏休みの挿話であるから、その9~10年後ということは、私2が大学を卒業した年~翌年ということになる。一方、本文中に、橙XIVを回想してあれからまだ何年にもならないのにとの記述がある。橙XIVは私2が大学卒業直後の挿話であるから、本挿話が同じ年とすれば、この表現は不自然であろう。

結局、本挿話の年は、赤XIVのちょうど10年後、大学卒業の翌年と考えるのが妥当であろう。

暦年代との対応

本文より、二・二六事件の翌年、1937年であることが分かる(詳細は考察→青XIIでの年代設定参照)。


更新:2012.12