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黒人霊歌


書誌

シリーズ
青い場所からの挿話 VIII
所収
『国境の白い山』中央公論社, 1984
『椎の木のほとり』中央公論社(中公文庫), 1993
初出
『海』15巻2号(1983年2月号)

設定

舞台
ニューヨーク・ブルックリン区
アイテム
ジョーの青いトランクス
時代
1933年~1934年

人物

私1
本文中では「日本人」。私2の父親。
ジム
黒人の老人。
ジャック(ジャック・パウエル)
靴磨きの少年。
チャーリー
ジャックの兄貴株。
リーリー
チャーリーの姉。
コップ牧師(エルンスト・コップ)
ドイツから来た巡回牧師。
ジョー
トラック運転手。プロボクサーになる。
ジョーの父
ストライキ破りをしたと間違われ殺される。
ジョーの祖母
メルヴィル
倉庫主任。ジョーにボクシングを薦める。
フォーゲラー
ジョーのトレーナー。
マイク・セラーズ
アイルランド出身のライト級世界選手権保持者。
アル・ブラウン
組織のボス。
ラルフ
片眼。アル・ブラウンの配下。

考察

暦年代

本文中、五年前に引退した世界チャンピオン、ジーン・タニーがの台詞がある。ジーン・タニーの引退は1928年7月なので、その5年後、1933年になる。

挿話のハイライトになるジョーのタイトル・マッチは1933年以降であるが、何年後なのかはっきりしない。上の台詞の後、冬のシーンをひとつ挟んで、ジョーのタイトル・マッチの話を聞いたのはその年の初夏だったと書かれていること、それはジョーが運転手をやめ、プロになってから一年ほどたっていたことから、ここでは翌年の1934年の設定であると判断しておく。

私2の学年との対応

先行する青VI・後に書かれる青XIIともに青XIIでの年代設定に依っている。それに従うと、1933年~1934年は、私2は旧制大学3年~休学中となる。青い場所の次の挿話である青IXは私2が高校に入る頃であるから、時代が前後しすぎるように思われる。

一方、橙XIIでの年代設定に従えば、1933~34年は私2が旧制高校1~2年に対応する。こちらの方が挿話の配列としては自然なようにも思われるが、ここでは不明とせざるを得ない。

ジーン・タニーのタイトルマッチについて

挿話は、ジム爺さんが少年ジャックに、ジーン・タニーがジャック・デンプシーを破ってタイトルを奪った試合を語るシーンで始まる。しかし、Wikipediaによると、この試合内容は、その一年後に再戦したときのものであるようだ。


更新:2013.01