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G号埠頭にて


書誌

シリーズ
青い場所からの挿話 II
所収
『雨期の終り』中央公論社, 1982
『国境の白い山』中央公論社(中公文庫), 1992
初出
『海』12巻6号(1980年6月号)

設定

舞台
シアトル
アイテム
林美娟の手紙の青い封筒
時代
私1がアメリカに着く直前~上陸10日後前後
執筆時:私2が小学5年生の冬(1932年~1933年)
→ 橙XIVで小学4年生の冬に、青XIIで1921年に変更

人物

私1
本文中では「私」。私2の父親。
私2の
本文中では「お前」。私1の妻。
ノサキ
シアトルに住む、日本人の青年。
林康尚
香港からシアトルに移住した港湾労働者。ノサキを助ける。
林美娟
林康尚の娘。
前野
私1を船まで迎えに来た領事館の職員。
領事
駐シアトル日本領事。

考察

時代

夜明けにアメリカ本土が見えはじめてからより、本挿話の開始は私1がアメリカに着く直前である。また、それから一週間ほど、連絡がなかった。から、手紙を受けとってから一週間ばかり後までを描いていることが分かる。アメリカ上陸から手紙を受けとるまで何日経っているかは不明だが、私は幾通りかの紹介状を貰って、ホテルに戻ってきた。しかしさすがに旅の疲れもあったし、一週間ほどは休んだほうがいいと言われたりして、ぶらぶら市内を見て過している間の出来事なので、上陸2日目以降、一週間までに手紙を受けとったと思われる。以上より、本挿話は私1がアメリカ上陸直前~上陸10日後前後の話であると推定できる。また、季節はまだようやく冬が終ろうとするばかりより、季節は晩冬~初春である。

私1の渡米年については、赤IIIから考えられる設定では、私2が小学6年生の夏以前で、赤I・IIでの年代設定より、この年は1932年±1年にあたる。それが、後に赤XIII橙XIVで小学5年生の夏以前に変更されるが、年代も橙XIIでの年代設定により1925年~1928年に変更されている。

一方、本文中に満洲事変のこともあるのでとあるので、1931年9月以降である必要があるから、赤I・IIでの年代設定でないと合わない。なぜ、本挿話執筆の半年前に設定した橙XIIでの年代設定によらず、6年以上前に設定した 赤I・IIでの年代設定を使ったのか、理解に苦しむところである。

いすれにせよ、青XIIでの年代設定により、最終的に、本挿話は1921年の晩冬~初春に変更されている。


更新:2012.12