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仁木


概要

の弟。小説家。「仁木」はペンネームで、本名は出ないが、精ちゃんと呼んでいる。

一時期私2を預かる(赤IV)。の退院後、路地の家に一緒に住む(赤XII)が、招集を受けて南九州の連隊に入る(赤XIII)。その後一時東京へ帰ってきたりするが(赤XIV)、基本的には軍隊暮らしが続き、外地へ出征する。ようやく除隊して私2の家に帰って来た後、文学の道をあきらめて満鉄に入社(橙XIII)、満州に渡る(青XII)。後に満鉄調査部を退社して帰国、安藤の妻と一時期同棲。安藤甚三が戻ってから同棲を解消し、北海道へ渡って新聞社に勤め、結婚し、小説を書く(菫XI)。


登場話


人間関係

伯父
異母兄。
姉。私2の母親。(赤XII橙XIII)
英二の母
姉。(赤IV)
板倉順吉
弟。医師。
私2
甥。(赤IV赤XI赤XII赤XIV橙XIII)
白蓮女史
独居時代に近所に住んでいる女の人。憧れていた。(赤IV)
米田さん
小説家仲間。(赤IV)
安藤の妻
私2の中学の国語教師の妻。夫の失踪後、一時期仁木と同棲する。(赤XI菫XI)
南部修治
友人。評論家。社会主義者。(赤XIV橙XIII)
楠木伊根子
南部修治の婚約者。(赤XIV)
桜田弦一郎
桜田家の現当主。満鉄総務部長。(橙XIII)
瀬木譲治
昔の仲間。大学講師から転職し、満鉄に勤めていた。(橙XIII)

考察

赤XIIの時点でぼくだって来年は三十ですからね。とある。この時点で私2は旧制中学3年の3月であるから、仁木は私2よりも13~15歳年長である。

その後、橙XIIIで、叔父が南九州の聯隊に入った頃、彼はまだ二十代の前半だったのに、すでに三十代に入っている。と書かれる。仁木が軍隊にいた期間は、私2が旧制中学4年~帝国大学休学後の約9年間であるが、橙XIII中では6年と書かれるなど、若干の混乱がある(詳細は橙XIIIの考察 参照)。混乱には目を瞑るとして、これを文字通り解釈すると、25歳は二十代の前半とは言わないだろうから、徴兵時に24歳、除隊時に30歳と特定できる。徴兵時の年齢によると、先に書いたように私2は旧制中学4年生なので15~16歳であるから(詳細は赤XIIIの考察 参照)、仁木は私2よりも8~9歳年長となる。一方除隊時の年齢から考えると、私2は大学休学後であるので(詳細は橙XIIIの考察 参照)、24~25歳であるから、仁木は私2よりも5~6歳年長となる。

一方、板倉順吉一番下の独身のままの弟と描写され、板倉順吉と私2の年齢差は14~15歳である(詳細は板倉順吉の考察 参照)。仁木はこれより年長でなければならないので、橙XIIIで書かれる年齢では合わないことになる。

これに対する解釈は、2通り考えられる。

ひとつは、私2から見て、仁木と板倉順吉は、片方が父方・他方が母方の叔父であり、一番下の独身のままの弟というのは一方の兄弟に関してのみ言っているという解釈である。

二つ目の解釈としては、赤III赤IVが書かれた時点では、私2より板倉順吉が13~14年、仁木が14~15年年長で、板倉順吉と仁木の年齢差は1~2歳という設定であった。それが、後に、一人の人物であった主人公が親子3代に分割される過程で人間関係に無理が生じ、その都度対処療法的に設定を修正した結果、上記のような矛盾が生じたというものである。

前者の解釈については、良子それにしても、**叔父さまは、こう言っちゃ悪いけれど、北海道の叔父さまといい勝負だわの台詞などを考えると、仁木も板倉順吉もともに母方の叔父であると考えるのが自然ではないか。なので、ここでは、後者の解釈を採っておく。


更新:2013.02